精神科も医療崩壊?
先日、医療崩壊に拍車をかけるような裁判が仙台地裁でありました。詳細は下記リンクにあります。
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20090831-537958.html
説明すると、「人格障害あるいはうつ病と診断された女性が、外来診察中に自殺。自殺の動機は他の患者に診察時間が長いと怒鳴られたため。」というのが事の成り行きです。ここまで書くと、「あぁ、家族がこの怒鳴った患者を訴えたんだなー」と思いますが、ところがどっこい、訴えられたのは病院
しかも1億円の賠償を求める裁判・・・。普通ならこの手の裁判は100%病院が勝つのですが、沼田寛という裁判長は「事故は予見できたので、病院職員に見守らせるべきだった」ということで病院側に3300万円の支払いを命じたそうです
ありえません・・・。というか、この裁判長は全くといって精神医療を理解していない。第一診察中に他の患者が怒鳴り込んでくることなんか誰が予見できるのでしょうか?それに百歩譲って自殺を予見できたとしても、本気で死のうとしている人を止めることは無理なのです
実際、たとえ保護室に入れて監視していても壁に頭を打ち付けたりとか、舌を噛み切ったりとか、シーツを破ってひも状にして首をつるとか、そういう事例はいくらでもあります(実際私が勤めていた病院でありました)。つまりこの裁判長の考え方通りにするならば、「自殺の可能性がある患者は、全員ベッドにくくりつけて24時間体制で見張る」、これ以外選択はないのです!まったく馬鹿げています。こんな裁判がまかり通るなら、精神科医は「自殺念慮」のある患者を診なくなります。
と、まぁ興奮気味に書きましたが、高裁では病院側の過失はきっと否定されると思います。ところで、この沼田寛裁判長とやらは、結構(ある意味)有名な裁判長らしいです。いくつか「これで有罪なの?」というオモシロ判決を言い渡す輩だそうです(webで検索したら分かります)。こういう輩が裁判長として適任かどうか、あるいは辞めさせたい場合は「裁判官訴追委員会」というのがあるそうです。間違いなく今回のことで、訴追委員会に訴えられると思います。
最近の医療裁判は、どうもおかしい気がします。司法の医療現場の無理解や、やり場のない怒りを病院や医師に投げかける家族・・・、患者と担当医師とどのような関係であったかは分かりませんが、明らかな過失がないのに逆恨みされてしまう・・・、こんな状況では医療は成り立ちません。訴訟社会(誰かのせいにしたい社会)に拍車をかけるような力動が今の日本にあるならば、その病理はどこにあるのでしょうか?この答えは今の自分には分かりませんが、この裁判は今後も見守って生きたいと思います。
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