ご存知かと思いますが、アルツハイマー病は高齢者に起こる認知症の代表疾患です。そのメカニズムに関しては、脳のアミロイド蓄積やタウタンパクのリン酸化などが関与していると言われておりますが、随分前から酸化ストレスが病態に深く関わると考えられてきました。実際、動物実験レベルでは過剰な酸化ストレスがアルツハイマー病モデルにおける症状の悪化を促し、逆に抗酸化剤が症状を軽減することが指摘されてきました。しかし、最近この考えを否定する論文が発表されました。(詳細下記リンク)
http://archneur.ama-assn.org/cgi/content/abstract/archneurol.2012.85v1
上記論文によると、二重盲検で患者をvitamin E + vitamin C + αリポ酸を投与した群、コエンザイムQ投与群、プラセボ群に振り分け、MMSE(認知機能検査)、髄液中の化学マーカー(Aβ42、タウ、リン酸化タウ)の変化を検討しております(投与期間は16週間)。その結果、髄液由来の化学マーカーは3群間で差を認めず、ビタミン投与群においては認知機能の悪化を認めたそうです。
うーん、抗酸化剤って認知症状を悪くするんですかね?疫学や動物実験で「抗酸化剤は認知症に良い」と何となく思い込んでいましたが、もしこの研究結果が正しいなら、今までの研究成果との矛盾はどうやって説明するのでしょうか。今後も注目したい分野ですね。
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